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すべての原発今すぐなくそう!(nazen)山陰

「はだしのゲン」閉架を撤回せよ!

このブログは、主に原発と核に関して私見を発信しています。今回は、マンガ「はだしのゲン」が松江市の学校図書室で自由に読んだり借りたりできなくなっている問題を取り上げます。「はだしのゲン」は核兵器や戦争の悲惨さを描き、反戦・反核を訴えてきました。原発は核の民政利用に過ぎず、日頃から放射能を放出し、事故が起こればさらなる悲惨な状況を国民に強いる点では核と同じです。核の反人間性を訴える「はだしのゲン」は、原発の反人間性をも訴えています。
「はだしのゲン」が自由に読めなくなっている現状の発端は、松江市議会に陳情があったことに始まります。昨年8月、「『はだしのゲン』は日本軍のありもしない蛮行を描き、誤った歴史認識を植えつける。学校図書室から撤去すべきだ。」という趣旨の陳情が松江市議会に提出されました。この陳情を行ったのは在特会(在日特権を許さない市民の会)のメンバーです。彼らは、8月6日に広島の原爆ドーム前で「核武装の必要性」を訴えて街頭宣伝を行っています。東京・新大久保のコリアンタウンなどで、主として在日韓国・朝鮮系の人々に対する聞くに耐えない悪口雑言、いわゆるヘイトスピーチを叫びながらデモしたりしています。国内だけでなく、海外からも彼らに対する批判は高まってきています。
市議会に提出された彼らの陳情は、「特定の図書を撤去するかどうかの判断をすることはできない」として採択されませんでした。陳情の内容を拒否することなく、市教委に問題を丸投げして、自らの責務を放棄した市議会の責任は重大です。陳情そのものは市議会で不採択になったのですから、話はそれで終わるはずでした。陳情に賛同する市議会の一部議員の働きかけに松江市教育委員会が過剰反応します。市教委は、委員会を開催して広く意見を聞くこともなく、事務局が「はだしのゲン」の閲覧を制限する要請を昨年12月市内の小中学校に出します。そして、今月16日の新聞で事実が明らかになりました。
一部で、市教委が事務局の独断で閲覧を制限する閉架措置を要請したことを、手続きの不備として指摘する論調があります。しかし、ことの本質は「手続き上の不備」で片付けられるような次元にあるのではありません。反戦・反核の決意を次世代にどのようにして継承するのかという重い責務を、主導すべき市教委が自ら放棄したことこそ糾弾されるべきです。責務を放棄したという点では、「はだしのゲン」撤去を求めた陳情を否定しなかった市議会も同罪です。また、小中学校で「はだしのゲン」の閉架措置がとられていると言っても、教師の許可をとって読んだり、授業のなかで採用するのは自由なのだから余り問題ないのではないかといった意見もあります。しかし、生徒が自由に手にとって読んだり借りたりできるように棚に並んでいるのと、いちいち許可をとって読むのとでは大きな違いで、知る権利の侵害以外の何物でもありません。
「はだしのゲン」には残虐な描写があり、制限も致し方ないという意見もあります。しかし、残虐なのは「はだしのゲン」ではなく、戦争や原爆被害の惨状こそ残虐です。いや、戦争や原爆の被害状況は、マンガでは描ききれないほど残虐で悲惨なものです。万一、戦争や原爆の被害を受ければ、子供だろうが老人だろうが否応なく残虐な状況を目の当たりにせざるを得ません。だからこそ、戦争や原爆の非人間性をしっかり目に焼き付け、反核・反戦の決意を固めなければなりません。
そのためには、「はだしのゲン」は格好の教材で、国内外で長年に渡って愛読されたり、映画化されて多くの人々に受け入れられています。市教委は、「はだしのゲン」の閉架措置を直ちに撤回すべきです。22日開かれた市教委の会議では、閉架措置に至る経過説明に終始し、問題の先送りをしただけで終わったようです。
市教委に閉架措置撤回を求めて、激しい怒りをたたきつけよう!
NAZEN 山陰 福間
pax.fkm@olive.plala.or.jp
by nazensanin | 2013-08-22 21:21

山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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