川内原発再稼働を許さない!
11日九州電力川内原発1号機が再稼働し、14日に送電を開始しました。新規制基準の下で初の再稼働であり、約2年ぶりに「原発ゼロ」が終わることになります。絶対に許容することはできません。川内原発が再稼働した11日は、東日本大震災と福島原発事故で犠牲となった多数の方々の月命日にあたります。敢えてわざわざこの日に再稼働することは、大震災の犠牲者を冒涜し、福島原発事故の教訓や被害の甚大さなど歯牙にもかけない暴虐な姿勢の表れです。過半数の国民は原発再稼働に反対していますので、原発再稼働は国民に対する挑戦であり、国民的に対する反逆行為です。
日本の原発稼働は、福島原発事故でも明らかになったように、その責任が極めてあいまいです。国策として原発政策を推進しながらも、その運転は事業者の責任として、国は責務を回避しています。国は、福島原発事故も第一義的には東京電力の責任としています。しかし皆さんご承知のように、賠償や除染などの費用は膨大で、東電の収益や全資産で充足できるような金額ではありません。国は、国債で賄った資金を原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通して支出し、東電がこれを返済することになっています。賠償や除染などの支出分は東電だけでなく、原発を所有する電力会社や税金で負担するようになっていて、結局国民が責任をとることになります。
責任が不明で、最終的に国民が負担を持つ構造は、川内原発再稼働についても全く同様です。川内原発再稼働を直接的に担保したのは、新規制基準に適合との判断を下した原子力規制委員会です。規制委員会の田中委員長は、規制基準適合の判断を「絶対的な安全性を確保するものではない」との発言を繰り返しています。また「安全目標というのは、決して我々と国民が合意してつくったものではない」とも言っています。規制委員会は安全を保証する機関でも、再稼働の是非を論じる機関でもないと表明しています。
安倍首相は「規制委員会が規制基準に適合すると認めた原発は、再稼働を進めたい」などと繰り返します。再稼働判断を規制委員会に下駄を預け、責任を「あなた任せ」にしています。原発30km圏内の自治体に避難計画の策定が義務づけられていますが、規制委員会の審査対象にもならず、策定を丸投げされた自治体はどうでしょうか。伊藤鹿児島県知事は、「30km圏内の医療施設などの避難計画策定は現実的ではない」として、10km圏内の計画策定にしてしまっています。この過程で知事は、原発の必要性を明示した文書を請求し、経産大臣名の文書を受け取ったあとに再稼働同意をしています。政府の要求に従ったという形式を取って、自らの責任を回避しています。
原発事故が起こった場合の責任は、電力会社が負うことが法律上も明示されています。しかし、福島原発事故でも明らかになっているように、電力会社だけで責任が負えるような規模ではないと国民全員が知っています。しかし、川内原発再稼働に際しても「識者」と言われる人物が、再稼働は経済のため極めて重要という趣旨の発言をしています。「原発を代替するための火力発電燃料の上乗せ費用は毎年3兆数千億円に上る。これほどの資金があれば、リニア新幹線の名古屋―大阪間を建設できる。原発を止めていることで、国家予算の0.4%に相当する莫大な資産が海外に流れる。」などと言っています。
こういう「識者」にとって、福島原発事故など眼中にない、あるいは福島は完全に復興していると本気で思っているんでしょう。福島原発事故の賠償や除染費用は、総額12.3兆円に上ると研究者は試算しています。試算額は現時点でのものであり、損害賠償は今後も増えていきますので、その全体像は見通せていません。福島第1原発に近い「帰還困難地域」は、ほぼ半永久的に居住できません。除染はごく限られた地域でしか行われていませんし、山や丘陵などは一切手つかずです。失われた生活や国土を取り戻すことはできませんので、損失分を金銭に換算することなど不可能です。
川内原発の再稼働にともなって、経産省は2016年度から「電源立地地域対策交付金」いわゆる電源三法交付金を減額する方針を固めました。再稼働の有無によって自治体の財政を人質に取り、脅迫して再稼働への同意を迫ろうとする意図がみえみえです。交付金は、原発停止後も稼働率81%とみなして関係自治体に支払われ、15年度には912億円が計上されています。経産省は「震災前の平均稼働率は70%で、稼働実績に応じて見直したい」として、稼働した原発と止まったままの原発とに差をつける必要があるとの判断をしたというわけです。金の力で張り倒してでも再稼働させようとする国家権力の態度を断じて許すことはできません。
言いたいことはまだまだありますが、長くなるので今回はこのくらいにします。川内原発は稼働しましたが、止められます。絶対に止めなければなりません。
NAZEN 山陰 福間
日本の原発稼働は、福島原発事故でも明らかになったように、その責任が極めてあいまいです。国策として原発政策を推進しながらも、その運転は事業者の責任として、国は責務を回避しています。国は、福島原発事故も第一義的には東京電力の責任としています。しかし皆さんご承知のように、賠償や除染などの費用は膨大で、東電の収益や全資産で充足できるような金額ではありません。国は、国債で賄った資金を原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通して支出し、東電がこれを返済することになっています。賠償や除染などの支出分は東電だけでなく、原発を所有する電力会社や税金で負担するようになっていて、結局国民が責任をとることになります。
責任が不明で、最終的に国民が負担を持つ構造は、川内原発再稼働についても全く同様です。川内原発再稼働を直接的に担保したのは、新規制基準に適合との判断を下した原子力規制委員会です。規制委員会の田中委員長は、規制基準適合の判断を「絶対的な安全性を確保するものではない」との発言を繰り返しています。また「安全目標というのは、決して我々と国民が合意してつくったものではない」とも言っています。規制委員会は安全を保証する機関でも、再稼働の是非を論じる機関でもないと表明しています。
安倍首相は「規制委員会が規制基準に適合すると認めた原発は、再稼働を進めたい」などと繰り返します。再稼働判断を規制委員会に下駄を預け、責任を「あなた任せ」にしています。原発30km圏内の自治体に避難計画の策定が義務づけられていますが、規制委員会の審査対象にもならず、策定を丸投げされた自治体はどうでしょうか。伊藤鹿児島県知事は、「30km圏内の医療施設などの避難計画策定は現実的ではない」として、10km圏内の計画策定にしてしまっています。この過程で知事は、原発の必要性を明示した文書を請求し、経産大臣名の文書を受け取ったあとに再稼働同意をしています。政府の要求に従ったという形式を取って、自らの責任を回避しています。
原発事故が起こった場合の責任は、電力会社が負うことが法律上も明示されています。しかし、福島原発事故でも明らかになっているように、電力会社だけで責任が負えるような規模ではないと国民全員が知っています。しかし、川内原発再稼働に際しても「識者」と言われる人物が、再稼働は経済のため極めて重要という趣旨の発言をしています。「原発を代替するための火力発電燃料の上乗せ費用は毎年3兆数千億円に上る。これほどの資金があれば、リニア新幹線の名古屋―大阪間を建設できる。原発を止めていることで、国家予算の0.4%に相当する莫大な資産が海外に流れる。」などと言っています。
こういう「識者」にとって、福島原発事故など眼中にない、あるいは福島は完全に復興していると本気で思っているんでしょう。福島原発事故の賠償や除染費用は、総額12.3兆円に上ると研究者は試算しています。試算額は現時点でのものであり、損害賠償は今後も増えていきますので、その全体像は見通せていません。福島第1原発に近い「帰還困難地域」は、ほぼ半永久的に居住できません。除染はごく限られた地域でしか行われていませんし、山や丘陵などは一切手つかずです。失われた生活や国土を取り戻すことはできませんので、損失分を金銭に換算することなど不可能です。
川内原発の再稼働にともなって、経産省は2016年度から「電源立地地域対策交付金」いわゆる電源三法交付金を減額する方針を固めました。再稼働の有無によって自治体の財政を人質に取り、脅迫して再稼働への同意を迫ろうとする意図がみえみえです。交付金は、原発停止後も稼働率81%とみなして関係自治体に支払われ、15年度には912億円が計上されています。経産省は「震災前の平均稼働率は70%で、稼働実績に応じて見直したい」として、稼働した原発と止まったままの原発とに差をつける必要があるとの判断をしたというわけです。金の力で張り倒してでも再稼働させようとする国家権力の態度を断じて許すことはできません。
言いたいことはまだまだありますが、長くなるので今回はこのくらいにします。川内原発は稼働しましたが、止められます。絶対に止めなければなりません。
NAZEN 山陰 福間
by nazensanin
| 2015-08-14 21:46
山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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