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すべての原発今すぐなくそう!(nazen)山陰

東電融資7兆円突破!全ての原発を廃炉にせよ!

福島原発事故を起こした東京電力に対する国の融資が、今年になってとうとう7兆円を越えてしまいました。東京電力は、4月1日から「東京電力ホールディング」と名称を変更して持ち株会社になっています。東電ホールディングの下に燃料・火力発電事業会社である「東京電力フュエル&パワー」、送配電事業会社である「東京電力パワーグリッド」、小売電気事業会社である「東京電力エナジーパートナー」の3つの事業会社がグループを構成しています。東電のシンボルマークも、英語表記である「TEPCO」をデザインしたものになっています。表向き配送電分離を先取りした対策としていますが、訴訟などのリスクを分散するための対処である側面が大いにあります。
福島原発事故の賠償資金などに充てる東電への融資についてはこれまで何度も発信してきましたが、改めて現状を告発し、全ての原発廃炉を訴えます。2011年9月、原発事故に伴う賠償資金や除染費用などを融資する原子力損害賠償機構が設立されました。政府が70億円、原発を保有する9電力会社など12社が70億円、計140億円を出資して設立されています。設立根拠法によって理事長と監事の任命権は政府にあり、運営委員などの任命や業務計画、予算などには政府の認可が必要です。2012年には、東電が発行した優先株式を機構が引き受けて1兆円を融資しています。これによって議決権ベースで過半数を有する筆頭株主となり、東電は機構を介して名実共に国有化されています。
2014年政府は、福島第1原発の廃炉や汚染水処理などへの 関与拡大を決定し、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(原賠機構)に改組されました。政府は原賠機構に国債を交付し、原賠機構はこの交付国債を原資として、資金を無利子で東電に融資しています。融資を受けた東電は特別負担金として返済し、15年度は700億円を負担しています。そして東電を含む原発を保有する電力会社も、一般負担金を原賠機構に毎年払っています。保有する原発の出力などに応じて負担金が異なりますが、15年度の一般負担金の総額は1630億円となっています。これらの負担金は電気料金に加算され、結局国民が負担することになります。さらに、無利子で融資された資金の少なくとも数百億円の利払いは政府が負担しますので、これも国民が負担することになります。
東電は11年10月、約9000億円の融資を申請したのを初め、去年までに8回の申請をしています。そして今年3月9回目となる約5900億円の申請をしています。東電は除染費用増加分や出荷制限などの賠償額としていますが、除染地域などの詳細は一切明確にしていません。東電に対する9回の融資は、総額約7兆5千億円にもふくれあがっています。16年度の東京都の一般会計予算が7兆100億円ですので、これを軽く上回ります。また、ニュージーランドの14年度国家予算が約7兆2千億円ですので、これも上回ります。東電への融資総額は、人口1335万人の東京都や2500万人のニュージーランドの国家予算も上回る巨額です。
前述のように、東電は事業収益の中から特別負担金を支出して原賠機構に返済しています。13〜15年度で1800億円ほど返済しています。そして、原賠機構に出資した電力各社も原発の規模に応じて一般負担金を支出して返済しています。一般負担金は14年度までに総額5083億円になり、返済資金の約80%は一般負担金です。一般負担金は総括原価方式で電気料金に転嫁されていますので、原賠機構への返済は、原発を保有する全国の利用者が負担しています。しかし電力会社はこうした事実を隠ぺいし、電気料金の明細書などにこうした記載が一切ないため、利用者が原発事故処理の負担金を支払っていることを意識することは通常ありません。
さらに、原賠機構から東電へは無利子融資が行われますが、原資となる交付国債には当然のことですが利子が発生します。15年末の段階の利子は106億円にまでふくらんでいます。この利払いには、一般会計からエネルギー対策特別会計への繰越金、つまり税金が投入されています。ということは、原発事故処理の資金を、原発のない沖縄県も含め全国の利用者や納税者が負担していることになります。現在日銀のマイナス金利政策の影響で国債金利もマイナス金利となり、直近で10年国債はー0.11%の金利です。このため、借金をすればするほど得をするような金利ですが、今後も長期間さらにふくらむ東電への融資を考慮すれば、国債金利が上昇し、先の世代に負担を押し付けることになります。
原賠機構から東電への融資は「今後も増額が予想される」(原賠機構広報担当者)状態です。14年に融資上限が9兆円に拡大されましたが、とてもこんな金額で収まるはずがありません。これほど天文学的な巨費が投じられている東電が、事故処理にきちんと支出しているかといえば、そうではありません。除染費用は法律で東電が負担することになっていますが、東電が負担しているのはその一部だけです。東電ホールディング体制に改編して、本来福島原発事故の責任を全面的に負わなければならないところを、責任をあいまいにして逃げ切ろう、結局国民に押し付ければいいなどとする姿勢がより明確になっています。
原発は事故処理費用を含めた経費がかかるという観点だけで、「全ての原発を廃炉に」と訴えているわけではありません。本来国民が払わなくてもいい負担金を転嫁されたり、社会保障予算などを削って利払いに回されるわけですから、巨額な経費がかかる事故が不可避な原発は国民に負担を強いる「強盗」のようなものです。しかし、原発の絶対悪は経費の多寡にあるのではなく、核を使用し、被ばく労働を前提とした原発という存在そのものに絶対悪があります。原発と核が人類と共存することはあり得ません。
NAZEN 山陰 福間
by nazensanin | 2016-05-08 16:45

山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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