中国電力は原発を放棄せよ!
中国電力が原子力規制委員会に申請している、島根原発2号機の新規制基準適合審査が行われています。宍道断層の長さを25kmまで延長し基準地震動を800ガルにして、審査の過程を適当にお茶を濁す目論みをしていた中電ですが、このところトンでもないことが進行しています。宍道断層の規模についての認定も大問題ですが、規制委員会の審査会合で交わされたことは宍道断層などの活断層のことではなく、島根原発施設そのものの耐震性に関わる重大なことです。5月26日の審査会合で、2号機施設の耐震重要度を引き下げるとの中電の方針について、これを規制委員会は認めない考えを示しました。規制委員会に指摘されるまでもなく、住民の安全など眼中にない中電の姿勢に強い怒りを覚えます。
耐震重要度を定める「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」では、原子炉施設の重要度に従って
S、B、Cの3つのグループに分類しています。Sクラスは、原子炉冷却材圧力バウンダリ(原子炉圧力容器、原子炉冷却系の配管、隔離弁などからなり、これが破壊されると原子炉冷却材喪失事故となる施設)を構成する機器や配管などを含んでいます。事故を防止するための最重要部分であり、最も高い耐震度が要求されます。Bクラスは、原子炉冷却材圧力バウンダリに接続されていて一次冷却材を内臓していたり、使用済み核燃料を冷却する施設などが含まれます。Cクラスは、SとBクラスに属さない施設となっています。
中電は指針に基づいて、2号機の機器や施設の耐震重要度を分類して申請したと称しています。26日の審査会合では、従来Bクラスとしていたタービン建屋内の機器や配管について、これらをCクラスに引き下げるとの趣旨を中電は説明しています。Bクラスは、建築基準法で規定されている耐震性の1.5倍程度の耐震性が要求されていて、現状の2号機は補強工事をする必要があります。しかも2号機は、約1000ヵ所もの補強工事をしなければなりません。Cクラスにした場合、建築基準法が規定する一般産業施設や公共施設などと同等の耐震性が要求されます。Cクラスであれば、1千ヵ所もの補強工事は必要ないことになります。
原発は核分裂反応で発生する熱を使って水を沸騰させ、その蒸気で蒸気タービンを回転させることで発電機を回して発電します。中電がCクラスに下げるとしたのは、この蒸気タービンを覆うタービン建屋内の機器や配管です。原発の蒸気タービンは、毎分1500回転以上の高速で回転します。万一地震などのためタービンが破損すれば、「タービンミサイル」という現象が発生する恐れがあることが知られています。高速で回転するタービンの部品が破損したりすれば、ミサイルのように高速で飛び出して他の機器などを破壊し、建屋を突き抜けて冷却材喪失に至る事故を起こしたり、人的被害が発生する可能性があります。火力発電などを含め、実際こうした事故が発生しています。
島根原発の原子炉や蒸気タービンは日立製が使われていますが、日立製の蒸気タービンはこれまで各地の発電所で事故やトラブルが立て続けに起きています。
2012年7月に稼動した中部電力の上越火力発電所1号機は、わずか2カ月後に蒸気タービンのブレード(羽)が折れ、その半年後にもブレードが1枚折れるトラブルが発生しています。この発電所は液化天然ガスを燃料とする最新型の発電所ですが、ブレードが折れるという「有り得ない」(専門家)事故が繰返し起こっています。日立製のタービン事故は最近だけでも、浜岡原発3・4号機、志賀原発1号機、そして島根原発2号機でも発生しています。日本で蒸気タービントラブルが深刻事故に発展していないのは、単なる幸運に過ぎません。
島根原発3号機の建築に約4600億円、新規制基準適合審査のため(いわゆる安全対策費)の追加対策に約4000億円、1号機の廃炉費用に約380億円(2045年まで約30年間)、これらの約9000億円が、この10数年ほどそしてこれから中電が必要とする最低限の島根原発関係の経費です。耐震重要度を引き下げなければ追加工事が必要となり、さらに莫大な経費がかかることになりますが、中電はこれ以上費用負担(結局利用者が負担することになります)したくなかっただけです。審査会合で耐震重要度の引き下げを「プラント全体の安全性が下がる」と批判した規制委員会は、「中電は原発を動かす資格はない」との趣旨まで発言し中電を罵倒しています。
規制委員会は、原発再稼働に権力としてお墨付きを与える原発推進機関です。その推進機関に「原発を動かす資格がない」などとこき下ろされる中電は、住民の安全など全く眼中にない最悪最低の原発運転会社です。耐震重要度を自らの都合がいいように解釈し、損得勘定のみで安全性を引き下げようとする中電に対しては、原発運転の「資格」など取り上げなければなりません。
中電は島根原発を放棄して、直ちに全原子炉を廃炉せよ!
NAZEN 山陰 福間
耐震重要度を定める「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」では、原子炉施設の重要度に従って
S、B、Cの3つのグループに分類しています。Sクラスは、原子炉冷却材圧力バウンダリ(原子炉圧力容器、原子炉冷却系の配管、隔離弁などからなり、これが破壊されると原子炉冷却材喪失事故となる施設)を構成する機器や配管などを含んでいます。事故を防止するための最重要部分であり、最も高い耐震度が要求されます。Bクラスは、原子炉冷却材圧力バウンダリに接続されていて一次冷却材を内臓していたり、使用済み核燃料を冷却する施設などが含まれます。Cクラスは、SとBクラスに属さない施設となっています。
中電は指針に基づいて、2号機の機器や施設の耐震重要度を分類して申請したと称しています。26日の審査会合では、従来Bクラスとしていたタービン建屋内の機器や配管について、これらをCクラスに引き下げるとの趣旨を中電は説明しています。Bクラスは、建築基準法で規定されている耐震性の1.5倍程度の耐震性が要求されていて、現状の2号機は補強工事をする必要があります。しかも2号機は、約1000ヵ所もの補強工事をしなければなりません。Cクラスにした場合、建築基準法が規定する一般産業施設や公共施設などと同等の耐震性が要求されます。Cクラスであれば、1千ヵ所もの補強工事は必要ないことになります。
原発は核分裂反応で発生する熱を使って水を沸騰させ、その蒸気で蒸気タービンを回転させることで発電機を回して発電します。中電がCクラスに下げるとしたのは、この蒸気タービンを覆うタービン建屋内の機器や配管です。原発の蒸気タービンは、毎分1500回転以上の高速で回転します。万一地震などのためタービンが破損すれば、「タービンミサイル」という現象が発生する恐れがあることが知られています。高速で回転するタービンの部品が破損したりすれば、ミサイルのように高速で飛び出して他の機器などを破壊し、建屋を突き抜けて冷却材喪失に至る事故を起こしたり、人的被害が発生する可能性があります。火力発電などを含め、実際こうした事故が発生しています。
島根原発の原子炉や蒸気タービンは日立製が使われていますが、日立製の蒸気タービンはこれまで各地の発電所で事故やトラブルが立て続けに起きています。
2012年7月に稼動した中部電力の上越火力発電所1号機は、わずか2カ月後に蒸気タービンのブレード(羽)が折れ、その半年後にもブレードが1枚折れるトラブルが発生しています。この発電所は液化天然ガスを燃料とする最新型の発電所ですが、ブレードが折れるという「有り得ない」(専門家)事故が繰返し起こっています。日立製のタービン事故は最近だけでも、浜岡原発3・4号機、志賀原発1号機、そして島根原発2号機でも発生しています。日本で蒸気タービントラブルが深刻事故に発展していないのは、単なる幸運に過ぎません。
島根原発3号機の建築に約4600億円、新規制基準適合審査のため(いわゆる安全対策費)の追加対策に約4000億円、1号機の廃炉費用に約380億円(2045年まで約30年間)、これらの約9000億円が、この10数年ほどそしてこれから中電が必要とする最低限の島根原発関係の経費です。耐震重要度を引き下げなければ追加工事が必要となり、さらに莫大な経費がかかることになりますが、中電はこれ以上費用負担(結局利用者が負担することになります)したくなかっただけです。審査会合で耐震重要度の引き下げを「プラント全体の安全性が下がる」と批判した規制委員会は、「中電は原発を動かす資格はない」との趣旨まで発言し中電を罵倒しています。
規制委員会は、原発再稼働に権力としてお墨付きを与える原発推進機関です。その推進機関に「原発を動かす資格がない」などとこき下ろされる中電は、住民の安全など全く眼中にない最悪最低の原発運転会社です。耐震重要度を自らの都合がいいように解釈し、損得勘定のみで安全性を引き下げようとする中電に対しては、原発運転の「資格」など取り上げなければなりません。
中電は島根原発を放棄して、直ちに全原子炉を廃炉せよ!
NAZEN 山陰 福間
by nazensanin
| 2016-06-20 13:28
山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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