福島と避難者切り捨て許さない!pt2
今年も3・11を福島の地で迎えました。福島第1原発から約60kmの距離にある郡山市に行きましたが、少なくとも事故から6年経過した郡山には、表面上平穏な時間が流れていました。福島市よりも人口の多い福島の商都である郡山市は、事故翌年の2012年に行った際には地震と原発事故の被災状況を顕著に見てとることができました。市役所の窓ガラスは破損して、ベニヤ板で応急措置が施されていました。外壁に亀裂が入っている建造物がそこかしこにありました。駅前や繁華街などに設置された放射線量を計測するモニタリングポストは、高い数値を示していました。学校の校庭には、避難者の仮設住宅が多数ありました。現在の郡山市は、事故前と変わらないくらい線量も下がり、地震や原発事故の爪痕は一見しては分からないくらいでした。
郡山市の線量は、事故直後に比べれば確かに低下しています。しかし、下がったのは空間線量であり、事故直後に降り注いだ放射性物質が完全になくなったわけではありません。人通りが多い地域の土壌などは除染されて多少低い線量になっていますが、除染が行き届いていない所が多くあります。子どもたちで賑わう公園は、滑り台やブランコなどの周辺はしっかり除染されているようですが、芝生は柵で囲まれて立ち入りを禁ずる注意書きがあります。郡山市は阿武隈山地や安達太良山などに囲まれた盆地ですが、当然こうした山地は除染などされていません。山地から阿武隈川などの河川が流れ、汚染物質が流入しています。これは郡山市だけでなく、福島市など中通りとよばれる地域でも同様な状況です。
3・11福島反原発行動に参加しましたが、会場に行くためにタクシーに乗りました。移動中、タクシーの運転手さんが福島の現状を話してくれました。運転手さんの話はまず、避難指示解除についてでした。「避難指示がどんどん解除されていくけど、まだ線量が高いのに何故なんでしょうかね。」「避難指示解除は、要するに補償費用や住宅支援が重荷になり、これを打ち切りたいからでしょう。皆そう言ってますよ。」など激しくはありませんが、淡々としながらも怒りに満ちた内容でした。また「オリンピックの野球は(郡山の)開成山野球場でやればいいです。郡山市民は、基本的には何の問題もなく暮らしているんですから。」と前途を見つめる郡山市民の心境も運転手さんは語っていました。
当日の郡山市は最高気温5度前後でしたが、曇っている時間が長く風も強い天候でしたので、体感としては2〜3度の肌寒い気候でした。反原発福島行動の集会は野外で行われましたが、全国から1100人が結集しました。帰還困難区域まで常磐線の運行を延伸しようとする政府やJR当局と対峙する動労水戸などの鉄道労働者、避難計画を策定したり避難指示解除の運用で住民と接する自治体労働者などが発言しました。口々に、反原発や被ばく拒否の闘いで、労働組合がいかに重要な位置を占めているかを訴えました。福島からは、ふくしま共同診療所の布施院長が、甲状腺がんが185人も発生しているなか帰還が強制されていることなど、福島の現状を訴えました。帰還強制反対の署名を強力に取り組むことを誓って、デモを行いました。
タクシーの運転手さんが言ったように、今月末から来月初めにかけて避難指示の解除地域が拡大し、それに伴って多くの補償や支援が打ち切られます。避難指示区域の住民は、内閣府が所管する原子力損害賠償支援機構から資金援助を受けた東電から賠償を受け取っています。失った土地や家財などの賠償金と一人当たり月10万円の精神的損害賠償(慰謝料)が支払われています。避難指示が解除されれば、慰謝料は打ち切りになります。今後も避難生活を続ける場合、「自主避難者」となります。線量が20mSv以下で避難指示区域でない地域の住民が避難する場合、「自主避難者」として東電の賠償の対象外となります。避難先で住宅支援を受けていましたが、これも打ち切りとなります。避難生活の負担を自己責任として、完全に放り出されます。
避難指示区域の線量が下がったことにして避難指示を解除し、帰還困難区域以外の避難者がいなくなったとして、安倍政権は福島の「復興」をでっち上げようとしています。東電をつぶさないように資金支援するためには、これ以上の賠償金や住宅支援は邪魔になるということです。安倍政権は福島「復興」を演出するだけでなく、川内原発などを再稼働して、原発事故などなかったことにしようと策動しています。断じて許すことはできません。高線量地域への帰還を強制されている福島を風化させることなく、島根原発など各地の原発再稼働を阻止し、廃炉を勝ち取る運動を今後も力強く継続します。
NAZEN 山陰 福間
郡山市の線量は、事故直後に比べれば確かに低下しています。しかし、下がったのは空間線量であり、事故直後に降り注いだ放射性物質が完全になくなったわけではありません。人通りが多い地域の土壌などは除染されて多少低い線量になっていますが、除染が行き届いていない所が多くあります。子どもたちで賑わう公園は、滑り台やブランコなどの周辺はしっかり除染されているようですが、芝生は柵で囲まれて立ち入りを禁ずる注意書きがあります。郡山市は阿武隈山地や安達太良山などに囲まれた盆地ですが、当然こうした山地は除染などされていません。山地から阿武隈川などの河川が流れ、汚染物質が流入しています。これは郡山市だけでなく、福島市など中通りとよばれる地域でも同様な状況です。
3・11福島反原発行動に参加しましたが、会場に行くためにタクシーに乗りました。移動中、タクシーの運転手さんが福島の現状を話してくれました。運転手さんの話はまず、避難指示解除についてでした。「避難指示がどんどん解除されていくけど、まだ線量が高いのに何故なんでしょうかね。」「避難指示解除は、要するに補償費用や住宅支援が重荷になり、これを打ち切りたいからでしょう。皆そう言ってますよ。」など激しくはありませんが、淡々としながらも怒りに満ちた内容でした。また「オリンピックの野球は(郡山の)開成山野球場でやればいいです。郡山市民は、基本的には何の問題もなく暮らしているんですから。」と前途を見つめる郡山市民の心境も運転手さんは語っていました。
当日の郡山市は最高気温5度前後でしたが、曇っている時間が長く風も強い天候でしたので、体感としては2〜3度の肌寒い気候でした。反原発福島行動の集会は野外で行われましたが、全国から1100人が結集しました。帰還困難区域まで常磐線の運行を延伸しようとする政府やJR当局と対峙する動労水戸などの鉄道労働者、避難計画を策定したり避難指示解除の運用で住民と接する自治体労働者などが発言しました。口々に、反原発や被ばく拒否の闘いで、労働組合がいかに重要な位置を占めているかを訴えました。福島からは、ふくしま共同診療所の布施院長が、甲状腺がんが185人も発生しているなか帰還が強制されていることなど、福島の現状を訴えました。帰還強制反対の署名を強力に取り組むことを誓って、デモを行いました。
タクシーの運転手さんが言ったように、今月末から来月初めにかけて避難指示の解除地域が拡大し、それに伴って多くの補償や支援が打ち切られます。避難指示区域の住民は、内閣府が所管する原子力損害賠償支援機構から資金援助を受けた東電から賠償を受け取っています。失った土地や家財などの賠償金と一人当たり月10万円の精神的損害賠償(慰謝料)が支払われています。避難指示が解除されれば、慰謝料は打ち切りになります。今後も避難生活を続ける場合、「自主避難者」となります。線量が20mSv以下で避難指示区域でない地域の住民が避難する場合、「自主避難者」として東電の賠償の対象外となります。避難先で住宅支援を受けていましたが、これも打ち切りとなります。避難生活の負担を自己責任として、完全に放り出されます。
避難指示区域の線量が下がったことにして避難指示を解除し、帰還困難区域以外の避難者がいなくなったとして、安倍政権は福島の「復興」をでっち上げようとしています。東電をつぶさないように資金支援するためには、これ以上の賠償金や住宅支援は邪魔になるということです。安倍政権は福島「復興」を演出するだけでなく、川内原発などを再稼働して、原発事故などなかったことにしようと策動しています。断じて許すことはできません。高線量地域への帰還を強制されている福島を風化させることなく、島根原発など各地の原発再稼働を阻止し、廃炉を勝ち取る運動を今後も力強く継続します。
NAZEN 山陰 福間
by nazensanin
| 2017-03-19 22:17
山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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