すべての原発今すぐなくそう!(nazen)山陰

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オバマ大統領広島訪問を認めない!

27日、オバマ大統領が安倍首相とともに広島の平和記念公園を訪問しました。オバマ大統領は、大統領専用機エアフォースワンとマリンワンで海兵隊岩国基地を経由して広島まで移動してきました。エアフォースワンは米空軍が運航し、空軍1号機であり、マリンワンは海兵隊が運航し海兵隊1号機です。日本の政府専用機も航空自衛隊が管理運航していますし、世界の同様機体もおおむね軍隊が運航しているようです。しかし、米国の場合は軍隊の関与が露骨で、米軍最高司令官である大統領の移動自体が軍事行動だと言えます。岩国基地で米海兵隊員と自衛隊員を前に大統領は「私は大統領として、米国が再びアジア太平洋地域で主導的立場を確実に担うよう努めた。なぜなら、この地域は必要不可欠だからだ」などと演説しています。
マスコミにはほとんど無視されていますが、大統領外国訪問の際には必ず同行するE-4Bナイトウオッチという軍用機が今回も随行しています。E-4Bは、大統領専用機と同型のボーイング
747を改造した大型空軍機です。登載した通信機器を使用して、大陸間弾道ミサイル部隊、潜水艦発射弾道ミサイル部隊、戦略爆撃部隊の指揮能力を有する、核戦争への対応を前提とした軍用機です。核戦争などに際して、地上で指揮が取れない場合に備えて、大統領などの国家指揮権限保持者を搭乗させて、米軍を空中から指揮するための軍用機です。核戦争に対処するために様々な能力を備えているようですが、最高国家機密の厚いベールにおおわれています。
いわゆる「核のボタン」もオバマ大統領と行動を共にしました。大統領が核攻撃を命じるための、フットボールと呼ばれる黒い革カバーにおおわれたブリーフケースが大統領に随行しました。中には、緊急警報システムの手続きまとめたもの、大統領本人を認証するコードが書かれたカードなどが入っているとのことです。ホワイトハウスの軍事顧問である士官が携帯し、大統領にぴったりと随行しています。大統領が核攻撃を決断した場合、ブリーフケースにある認証カードや通信技術を用いて、統合参謀本部の国家軍事指揮センターと連絡を取ります。大統領からの命令であると確認されれば、核攻撃が実行されます。「核のボタン」フットボールが、平和記念公園の慰霊碑前でオバマ大統領の数列後に待機していました。
直ちに核攻撃できる体勢を配備し、日米権力の厳重な警備のもと、平和記念公園でオバマ大統領は演説を行いました。全体的に「核なき世界」の理念を述べたものですが、広島と長崎に原爆を投下した国の現役最高指導者として、世界最強の核戦力を保有する米軍の最高司令官として、何が言いたいのかさっぱり分からない内容です。「71年前、明るく、雲一つない朝、死が空から降り、世界が変わってしまいました」と情緒的な文言で始まる演説ですが、一人の思想家や評論家の演説でならば別の評価が可能だとは思います。しかし、「核のボタン」に手をかけた、現在もシリアなどで戦争を継続中の米軍最高司令官の演説としては全く空虚であり、それだけでなく現実を隠ぺいしようとする犯罪的内容です。
大統領の演説は、多くの箇所で「私たちは」(we)とか「私たちの」(our)という一人称の複数形が使われています。「私たちはこの街の中心に立ち、原爆が投下された瞬間を想像せずにはいられません」などとなっています。「私」ではなく複数形を使っているのは、人類はともに「核のない」また「戦争のない」世界を求めるなければならないとして、人類を広島との関係で強調しているのでしょう。しかし、これは米国大統領としての自らの立場や責務を放棄し、第三者あるいは原爆の犠牲になったと同じ一般市民に責任を転嫁していることに他ありません。
オバマ大統領は、2009年のプラハ演説で「核兵器を使用したことのある唯一の核保有国として、合衆国には行動する道義的責任がある」として「核なき世界」を訴えました。そのなかで「核兵器が存在する限り効果的保有量を維持する」とした核保有国の既得権保護を明確にしていました。同時に実効性はともかくとしても、包括的核実験禁止条約の早期批准や戦略兵器削減条約など具体的核政策についても、「私は」や「わが国は」を主語として提言していました。2013のベルリン演説でも戦略的核抑止力の保持を訴えながらも、戦略核兵器を最大3分の1まで削減すると言っています。これらに比べて、広島演説には核廃絶はもちろんのこと、核軍縮についてすら具体的言及は全くありませんでした。
オバマ大統領の広島演説には、非常に違和感のある用語が使われています。道徳(moral)という単語が数ヶ所で見られます。「原子の分裂を可能にした科学の革命には、道徳上の革命も求められます」とか「広島と長崎が核戦争の夜明けではなく、私たちの道徳心の目覚めの始まりとして知られるような未来です」などとなっています。moralを英英辞典で調べると、「個人やある社会集団によって受け入れられている善と悪の原理」となっています。原爆の非人間性は、一個人や特定の社会集団によってのみ認められる悪の原理ではないはずです。原爆の存在は、古今東西を問わず人類に対する脅威であり、生命に対して挑戦です。道徳という言葉を使い、核の非人間性に言及するのを避けたとしか思えません。
安倍首相も演説しましたが、空虚な嘘八百の文言を散りばめたもので論評に値するものではありません。前回発信したように、世界の核軍縮会議などで、核廃絶や核兵器禁止条約に最も強く反対するのが核保有国以外では日本だということは、世界共通の認識になっています。米国も、国防費を削減するなかで、核開発には今後30年間で1兆ドルを費やすことを決め、小型核爆弾や新型ICBMなどの開発を行っています。こうした状況で、たった10分ほど原爆資料館で数点の展示物を見学したからといって、2名の被爆者の人に短時間会ったからといって、原爆の実相に触れることなど不可能です。「核のボタン」に手をかけ、虚偽の「核なき世界」を最もらしく発信することなど断じて許すことはできません。
NAZEN 山陰 福間
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by nazensanin | 2016-05-30 20:34

オバマ大統領広島訪問絶対反対!

オバマ大統領が伊勢志摩サミット終了後の27日、米現職大統領として初めて広島を訪れます。安倍首相とともに、平和記念公園や原爆資料館などにも足を運ぶことになっています。菅官房長官は「わが国が核兵器のない世界を目指して取り組んでいることに対し、非常に強いメッセージを発してくれることにつながる」などと評価しています。そのた、マスコミが発信する国内の反応も「原爆資料館を直接見てもらうことに意義がある」などと、ほぼ歓迎一色です。しかしオバマ大統領の広島訪問は、核兵器開発や配備の現実を隠ぺいするだけでなく、核の現状の是認を強要する行為であり、断じて許すことはできません。
オバマ大統領は2009年のチェコ・プラハ演説で「核を使用した唯一の保有国として、米国は行動する道義的責任がある」として「核なき世界」を目指すことを表明しました。しかし同時に、「核が存在する限り、米国は敵を抑止し同盟国を防衛するため、安全で効率的な武器を保有する」とも述べています。大統領が主張しているのは核廃絶や核兵器削減ではなく、核不拡散です。核不拡散や原発を推進するNPT(核拡散防止条約)とIAEA(国際原子力機関)体制のもと、核保有を国連安保理常任理事国5ヵ国に限定して他国に拡散することを禁じることです。そして、核兵器保有の既得権を維持し強化することこそが大統領の意図するところです。
チェコ・プラハでの「核兵器なき世界」と題する演説をオバマ大統領が行った
2009年4月以降、米国の核開発は拡大強化されています。10年9月には、4年ぶりに臨界前核実験を実施しています。そして、今後30年間に1兆ドルもの巨額を投入し、5段階の核兵器再開発プロジェクトが進行中です。その第1ステージとなるのが、核爆弾「B61」の最新型「B61-12」の開発です。この最新型は小型化されて戦闘機にも登載可能で、ステルス性能も備えています。ターゲットに合わせて爆発能力を調節でき、広島型原爆の2%の威力に抑えた超小型核爆弾が完成形だとされています。限定された標的に対して、先制攻撃にも使える仕様となる原爆です。
ほかにも、核巡航ミサイルトマホークの後継となる新型長距離核巡航ミサイル
LRSOが開発されつつあります。また今年になって、地球全域を射程に収める核弾頭を登載する大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」の発射実験も続けています。核の維持や開発をする一方で、核軍縮は全くと言っていいほど進んでいません。11年に発効したロシアとの核軍縮である新STARTは、ウクライナ危機などをきっかけに実効性がない状態です。米国の14年9月の核弾頭保有数は4717発で、オバマ政権下で削減されたのは約500発だとのことです。削減率は10%ほどで、冷戦後の歴代米政権で最も低調です。オバマ政権の核削減の取り組みについて「驚くほど弱い」と米国の核専門家も指摘しています。
今月10日安倍首相は「核のない世界実現のため、大統領と全力を尽くしたい」と表明しました。しかし同じ日、スイスでは佐野軍縮大使が、核兵器の全面禁止に反対する発言をしています。核軍縮を目指す国連の作業部会で、核兵器開発や使用などの全面的禁止を保有国に義務付ける「核兵器禁止条約」が提起されました。核保有国が欠席するなかで佐野大使は「北東アジアの厳しい安全保障環境を踏まえ、現実的な措置を取るべきだ」として条約の趣旨そのものに反対しています。日本政府は被爆国として核軍縮や不拡散を訴えていますが、全面的な核禁止を求めたことありません。NPT再検討会議でも、100ヵ国以上が賛同した核兵器禁止の誓約文書に反対しています。
オバマ大統領広島訪問に際して、日本政府は原爆投下の謝罪は求めないと表明しています。政府は従来から「講和条約で決着がついている」とか「戦時中の国際法(ハーグ陸戦条約)では原爆使用を違法とする規程はない」として、謝罪要求をしたことはありません。被爆国でありながら米国の拡大抑止=核の傘に依存しているという極端な矛盾を抱えている政府にとって、謝罪がないほうが都合がいいからです。また、太平洋アジア戦争で日本は一方的に被爆国として戦争被害を被ったわけではありません。アジア諸国に対しては、侵略や植民地支配をした加害国ですから、日本政府が米国に謝罪要求することは、自らの加害責任にも向き合うことになります。政府に向き合う気がなくても、国内外から批判を受けますので、選挙のことも考慮して謝罪要求をしないというところでしょう。
任期わずかのオバマ大統領は、核軍縮するどころか核兵器の拡充に突き進んでいます。一方「唯一の被爆国」を謳い文句にしながら核兵器禁止に反対する安倍首相は、アジア侵略や植民地支配の責任を認めることはなく、直視しようともしません。そうした二人が広島の原爆慰霊碑の前に立つということは、オバマ政権と安倍政権の核戦略や外交政策などを是認し、原爆や侵略の犠牲者を侮辱するこに他ありません。オバマ大統領は広島で「全ての戦争犠牲者を追悼する」としています。シリア空爆などで今も多数の犠牲者がでているわけですから、追悼するのなら直ちに空爆は止めることです。また、米軍基地にも立ち寄って「米軍犠牲者に敬意を表する」そうですが、基地があるから沖縄で女性殺害事件が起ったのですから、基地を撤去することこそ犠牲者追悼の第一歩です。
NAZEN 山陰 福間
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by nazensanin | 2016-05-22 17:09

「原発安全」キャンペーンを中止せよ!

東京電力は、3・11後おわびや節電以外のCMを控えていましたが、ここにきて原発CMを流し始めました。東電は、新潟県の柏崎刈羽原発6・7号機の新規制基準適合申請をして、沸騰水型として最初の再稼働を目指しています。しかし福島第1原発事故の処理は、全くめどが立たない状態なのはご存知の通りです。泉田新潟県知事が柏崎刈羽原発について「福島原発事故のどこにミスがあったのか、総括も社内処分も行われていない状況のなかで、再稼働を議論する段階にない」などと発言していることなどもあります。さらに地域住民の強い反対もあって、東電にとっては原発の「安全神話」をまたもや振りまく以外に手段がないということです。
規制委員会の審査が進む柏崎刈羽原発の再稼働を急ぐ東電は、昨年新潟事務所を新潟本社に格上げしています。そして、昨年6月から新潟県限定でテレビCMを再開しました。このCMは、「緊急時訓練編」や「津波対策編」などを放映しています。緊急時訓練編では、重機などを使ってがれきを取り除く訓練の様子が映し出されます。そして、「どんな状況でも対応できるよう訓練に全力を注ぎます」と8人の職員が決意表明する姿でCMは終わります。津波対策編では、「柏崎刈羽原発では、福島原発事故をふまえ対策対応をすすめております」とのテロップが冒頭に流れます。次に、防潮堤のかさ上げや防水扉設置などの津波対策を施しているとの映像とともにナレーションが放映されています。
これに対して、福島から避難してきている人びとが「再び傷つけられていると感じる」として強い怒りの声を上げました。新潟県には、3500人を越える人びとが福島から避難してきています。避難者や原発に反対する団体のメンバーが、東電CMの中止と経費の公開などを求めて新潟本社に申し入れていました。しかし、東電は「今後もCMを継続する」と回答し、経費の公開については「私契約なので差し控える」と申し入れをはねつけています。そのため、東京本社にCM中止を求めています。その際、郡山市からの避難者は「再稼働目的のCMで『事故は起こらない』『東電は頑張っている』と思わせようというのは、私たちの存在を無視しすぎている」と東電に怒りをぶつけています。
電力会社を代表する東電は、福島原発事故以前は大量の広告を垂れ流していました。先月末発刊された本間龍氏著「原発プロパガンダ」(岩波新書)には、その模様が克明に描きだれています。1970〜2011年度の原発を保有する電力9社の普及開発関係費(広告費)は、総額で2兆4千億円を越えています。このなかで、東電は約6500億円にも上って全体金額の25%を占めています。福島原発事故直前の
2010年度には約270億円費やしています。東電が同規模の広告費を維持しているとして、最新の企業広告費ランキングで当てはめてみると、37位の三菱電機に次ぐ金額です。ロート製薬、味の素、積水ハウスなどの有力企業よりも多くなっています。
国内だけでなく、国外企業とも激しい競争にさらされている企業と違い、国内の電力会社は地域独占企業です。そうした競争がないなかでこれほど巨費が投じられているのは、原発の存在が大きいことは言うまでもありません。「原発は安全」だと繰り返し、大量にあらゆるメディアを動員してCMを流さなければならないほど危険な存在だということを、電力会社は熟知していたことは明らかです。一般家庭も含めた全面電力自由化が4月から実施されていますので、東電管内で約19万件、関西電力管内で約10万件が契約変更しています。しかし、全体的にはまだ圧倒的な占有率で、事実上地域独占企業である実体に変わりありません。そうしたなか、また再稼働を目指して原発広告が増えています。
原発広告が増加しているのは東電だけでなく、全国的傾向です。中部電力は昨年、浜岡原発で働く社員を紹介する新聞やテレビCMを静岡県内でスタートさせています。関西電力は、高浜原発3号機が再稼働した直後の2月「すべては、安全のために」というタイトルの新聞広告を福井県で掲載し、テレビCMも流しています。これらのなかで、原発について「経済の発展や豊かな暮らしを支えるための重要な電源」とアピールしています。中国電力も「エネルギー(さまざまな発電方法)」と題したCMで「コスト、安定性、環境を考えて安定して電気を送るために、さまざまな発電方法を組み合わせています」とのナレーションが流れ、火力や水力とともに原発のイラストも映し出されます。
巨額の予算を費やして原発プロパガンダを行ったのは電力会社だけではありません。その一つが、電力会社10社の会費によって運営され、任意団体のため活動内容と予算が公表されていない電気事業連合会です。電事連は供給管内に活動が縛られる電力会社の別動隊として、地域に関係なく広告を流してきました。さらに、経産省・資源エネルギー庁、環境省、NUMO(原子力発電環境整備機構)などを加えると、2兆4千億円の数倍にふくれ上がることは確実です。原子力ムラは膨大な資金を広告代理店に流し込み、あらゆる地域や年齢層に向けて原発の有用性を刷り込む広告を大量にばらまいてきました。
先に紹介した「原発プロパガンダ」には「原発推進PR活動は、実施された期間と費やされた巨額の予算から考えて、まさしく世界でも類がないほどの国民扇動プロパガンダだった」とあります。原発広告は、まさに政官財挙げて原発推進のための洗脳を行う役割を担っていたのです。広告のための原資は電気料金や税金であり、国民は自らが負担した資金でプロパガンダにさらされていたわけです。また原発広告は、巨額の広告費を受けとるメディアに対する口止め料やワイロといえる性格を持っていました。メディアが電力会社や原発に反旗をひるがえすことがないよう、巨額の広告費を垂れ流してきました。今また復活してきた原発プロパガンダを絶対許すことはできません。
NAZEN 山陰 福間
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by nazensanin | 2016-05-14 17:43

東電融資7兆円突破!全ての原発を廃炉にせよ!

福島原発事故を起こした東京電力に対する国の融資が、今年になってとうとう7兆円を越えてしまいました。東京電力は、4月1日から「東京電力ホールディング」と名称を変更して持ち株会社になっています。東電ホールディングの下に燃料・火力発電事業会社である「東京電力フュエル&パワー」、送配電事業会社である「東京電力パワーグリッド」、小売電気事業会社である「東京電力エナジーパートナー」の3つの事業会社がグループを構成しています。東電のシンボルマークも、英語表記である「TEPCO」をデザインしたものになっています。表向き配送電分離を先取りした対策としていますが、訴訟などのリスクを分散するための対処である側面が大いにあります。
福島原発事故の賠償資金などに充てる東電への融資についてはこれまで何度も発信してきましたが、改めて現状を告発し、全ての原発廃炉を訴えます。2011年9月、原発事故に伴う賠償資金や除染費用などを融資する原子力損害賠償機構が設立されました。政府が70億円、原発を保有する9電力会社など12社が70億円、計140億円を出資して設立されています。設立根拠法によって理事長と監事の任命権は政府にあり、運営委員などの任命や業務計画、予算などには政府の認可が必要です。2012年には、東電が発行した優先株式を機構が引き受けて1兆円を融資しています。これによって議決権ベースで過半数を有する筆頭株主となり、東電は機構を介して名実共に国有化されています。
2014年政府は、福島第1原発の廃炉や汚染水処理などへの 関与拡大を決定し、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(原賠機構)に改組されました。政府は原賠機構に国債を交付し、原賠機構はこの交付国債を原資として、資金を無利子で東電に融資しています。融資を受けた東電は特別負担金として返済し、15年度は700億円を負担しています。そして東電を含む原発を保有する電力会社も、一般負担金を原賠機構に毎年払っています。保有する原発の出力などに応じて負担金が異なりますが、15年度の一般負担金の総額は1630億円となっています。これらの負担金は電気料金に加算され、結局国民が負担することになります。さらに、無利子で融資された資金の少なくとも数百億円の利払いは政府が負担しますので、これも国民が負担することになります。
東電は11年10月、約9000億円の融資を申請したのを初め、去年までに8回の申請をしています。そして今年3月9回目となる約5900億円の申請をしています。東電は除染費用増加分や出荷制限などの賠償額としていますが、除染地域などの詳細は一切明確にしていません。東電に対する9回の融資は、総額約7兆5千億円にもふくれあがっています。16年度の東京都の一般会計予算が7兆100億円ですので、これを軽く上回ります。また、ニュージーランドの14年度国家予算が約7兆2千億円ですので、これも上回ります。東電への融資総額は、人口1335万人の東京都や2500万人のニュージーランドの国家予算も上回る巨額です。
前述のように、東電は事業収益の中から特別負担金を支出して原賠機構に返済しています。13〜15年度で1800億円ほど返済しています。そして、原賠機構に出資した電力各社も原発の規模に応じて一般負担金を支出して返済しています。一般負担金は14年度までに総額5083億円になり、返済資金の約80%は一般負担金です。一般負担金は総括原価方式で電気料金に転嫁されていますので、原賠機構への返済は、原発を保有する全国の利用者が負担しています。しかし電力会社はこうした事実を隠ぺいし、電気料金の明細書などにこうした記載が一切ないため、利用者が原発事故処理の負担金を支払っていることを意識することは通常ありません。
さらに、原賠機構から東電へは無利子融資が行われますが、原資となる交付国債には当然のことですが利子が発生します。15年末の段階の利子は106億円にまでふくらんでいます。この利払いには、一般会計からエネルギー対策特別会計への繰越金、つまり税金が投入されています。ということは、原発事故処理の資金を、原発のない沖縄県も含め全国の利用者や納税者が負担していることになります。現在日銀のマイナス金利政策の影響で国債金利もマイナス金利となり、直近で10年国債はー0.11%の金利です。このため、借金をすればするほど得をするような金利ですが、今後も長期間さらにふくらむ東電への融資を考慮すれば、国債金利が上昇し、先の世代に負担を押し付けることになります。
原賠機構から東電への融資は「今後も増額が予想される」(原賠機構広報担当者)状態です。14年に融資上限が9兆円に拡大されましたが、とてもこんな金額で収まるはずがありません。これほど天文学的な巨費が投じられている東電が、事故処理にきちんと支出しているかといえば、そうではありません。除染費用は法律で東電が負担することになっていますが、東電が負担しているのはその一部だけです。東電ホールディング体制に改編して、本来福島原発事故の責任を全面的に負わなければならないところを、責任をあいまいにして逃げ切ろう、結局国民に押し付ければいいなどとする姿勢がより明確になっています。
原発は事故処理費用を含めた経費がかかるという観点だけで、「全ての原発を廃炉に」と訴えているわけではありません。本来国民が払わなくてもいい負担金を転嫁されたり、社会保障予算などを削って利払いに回されるわけですから、巨額な経費がかかる事故が不可避な原発は国民に負担を強いる「強盗」のようなものです。しかし、原発の絶対悪は経費の多寡にあるのではなく、核を使用し、被ばく労働を前提とした原発という存在そのものに絶対悪があります。原発と核が人類と共存することはあり得ません。
NAZEN 山陰 福間
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by nazensanin | 2016-05-08 16:45

山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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