川内原発再稼働差し止め却下を弾劾する!
鹿児島地裁は22日、九州電力川内原発の運転差し止めを求めた仮処分申し立てを却下する決定を下しました。ご承知のように、関電高浜原発3・4号機の再稼働を認めなかった14日の福井地裁の仮処分決定は、新規制基準について「不合理」と切って捨てました。これに対して鹿児島地裁の決定は、新規制基準を「科学的知見」と是認しています。裁判と裁判官の独立は憲法で保証されていますので、同種の事案を扱った公判で相反する判決や決定などが出されることはよくあることです。しかし、過半数の国民の意向を完全無視し、事実誤認に満ちた鹿児島地裁の決定に断行抗議します。
新規制基準について福井地裁の仮処分決定が、「緩やかに過ぎ合理性を欠く。適合しても原発の安全性は確保されない。」としています。これに対し鹿児島地裁は「福島原発事故の経験を考慮し、最新の科学的知見に照らしている。」としています。鹿児島地裁の決定には強烈な違和感を覚えます。「福島原発事故の経験を考慮し」としていますが、福島原発事故で避難が混乱を極め、その結果多数の犠牲者が出たことなど考慮された形跡すらありません。新規制基準では、原発事故時の避難計画などそもそも審査の対象にすらなっていません。
原発の「安全性」について福井地裁の仮処分は、「深刻な災害の恐れが万が一にもないと言える基準にすべきだ」と極正当な評価をしています。鹿児島地裁の決定は「危険性を社会通年上無視できる程度に小さく保つのが相当」としています。鹿児島地裁の決定は、「原発は人が造った機械だから、事故は発生するものである。電力会社がたいした事故ではないとする程度の事故であれば、起こってもしかたがない。」と言っているようなものです。「規制委員会の審査に通っても、安全を保証したわけではない」とする規制委員会の考えと通低しています。
福井地裁の仮処分は「国内に地震の空白地帯はなく、想定を越える地震が来ないとの根拠が乏しい」と基準地震動の根拠を裁断しています。余りに当たり前の判断です。鹿児島地裁の決定は「平均値を用いた基準の策定は地域の特性を考慮できる高度な手法で、合理的」などと高く評価しています。また、鹿児島地裁の決定では、火山噴火の危険性について、安全性に影響する噴火の可能性は低いとする九電の評価を「火山学の知見に裏付けられている」と認定しています。
鹿児島地裁はさらに「破局的噴火の活動可能性が十分に小さいとはいえないと考える火山学者も一定数存在するが、火山学会の多数を占めるとまでは認められない」と結論付けています。鹿児島地裁の評価は事実誤認というより、意図的な欺瞞に他ありません。火山噴火予知連絡会の会長は「(破局的噴火の可能性は小さくないと考える学者は)私の実感では火山学会の多数を占めている。だからこそ学会は昨年、規制委員会の審査基準見直しを求めている。」と真っ向から批判しています。また「火山学の専門家が、規制委員会の調査審議に関与したことはない」とのことです。火山学者の「科学的知見」など入る余地はないということです。
鹿児島地裁の審理で九電は「川内原発二基を1日稼働しないと約5億5千万円の損失がでる。この点を考慮し妥当な金額を決定すべきだ」として担保金を求めました。稼働差し止めの仮処分が認められた後、本訴訟で住民側が敗訴した場合、賠償請求の可能性がでてきます。この賠償請求に備えたものを担保金といいます。鹿児島地裁は認めませんでしたが、九電は担保金の積み立てを求めていました。こうした賠償請求や担保金要求の可能性があるため、申立人23人のうち10人ほどか申し立てを取り下げています。圧倒的弱者である住民に百億円単位にもなるかも知れない金額を請求するとは、狂気の沙汰です。
高浜原発運転差し止めの仮処分を決定した福井地裁でも、関電は担保金納入を要求しています。同地裁は「事案の性質上、住民に担保を求めることは相当でない」として要求を退けています。当たり前であり、当然のことです。原発再稼働が差し止められれば、住民や地域の安全性は高まりますが、運転差し止めの主張そのものが金銭的利益に結び付くわけではありません。運転差し止めで損失がでるのであれば、止められても仕方のない原発を建設した電力会社の経営判断の誤りがあったからです。それを住民に転嫁するとはとんでもないことです。
再稼働差し止めは、ゾウのような電力会社と、アリのような立場の住民との闘いです。力関係に圧倒的な落差があるなかで、電力会社は巨額な賠償請求や担保金要求までして住民を恫喝し、何がなんでも原発再稼働を強行しようとしています。アリも大集団で結集して団結すれば、巨大なゾウにも打ち勝つことができます。再稼働絶対反対!
NAZEN 山陰 福間
新規制基準について福井地裁の仮処分決定が、「緩やかに過ぎ合理性を欠く。適合しても原発の安全性は確保されない。」としています。これに対し鹿児島地裁は「福島原発事故の経験を考慮し、最新の科学的知見に照らしている。」としています。鹿児島地裁の決定には強烈な違和感を覚えます。「福島原発事故の経験を考慮し」としていますが、福島原発事故で避難が混乱を極め、その結果多数の犠牲者が出たことなど考慮された形跡すらありません。新規制基準では、原発事故時の避難計画などそもそも審査の対象にすらなっていません。
原発の「安全性」について福井地裁の仮処分は、「深刻な災害の恐れが万が一にもないと言える基準にすべきだ」と極正当な評価をしています。鹿児島地裁の決定は「危険性を社会通年上無視できる程度に小さく保つのが相当」としています。鹿児島地裁の決定は、「原発は人が造った機械だから、事故は発生するものである。電力会社がたいした事故ではないとする程度の事故であれば、起こってもしかたがない。」と言っているようなものです。「規制委員会の審査に通っても、安全を保証したわけではない」とする規制委員会の考えと通低しています。
福井地裁の仮処分は「国内に地震の空白地帯はなく、想定を越える地震が来ないとの根拠が乏しい」と基準地震動の根拠を裁断しています。余りに当たり前の判断です。鹿児島地裁の決定は「平均値を用いた基準の策定は地域の特性を考慮できる高度な手法で、合理的」などと高く評価しています。また、鹿児島地裁の決定では、火山噴火の危険性について、安全性に影響する噴火の可能性は低いとする九電の評価を「火山学の知見に裏付けられている」と認定しています。
鹿児島地裁はさらに「破局的噴火の活動可能性が十分に小さいとはいえないと考える火山学者も一定数存在するが、火山学会の多数を占めるとまでは認められない」と結論付けています。鹿児島地裁の評価は事実誤認というより、意図的な欺瞞に他ありません。火山噴火予知連絡会の会長は「(破局的噴火の可能性は小さくないと考える学者は)私の実感では火山学会の多数を占めている。だからこそ学会は昨年、規制委員会の審査基準見直しを求めている。」と真っ向から批判しています。また「火山学の専門家が、規制委員会の調査審議に関与したことはない」とのことです。火山学者の「科学的知見」など入る余地はないということです。
鹿児島地裁の審理で九電は「川内原発二基を1日稼働しないと約5億5千万円の損失がでる。この点を考慮し妥当な金額を決定すべきだ」として担保金を求めました。稼働差し止めの仮処分が認められた後、本訴訟で住民側が敗訴した場合、賠償請求の可能性がでてきます。この賠償請求に備えたものを担保金といいます。鹿児島地裁は認めませんでしたが、九電は担保金の積み立てを求めていました。こうした賠償請求や担保金要求の可能性があるため、申立人23人のうち10人ほどか申し立てを取り下げています。圧倒的弱者である住民に百億円単位にもなるかも知れない金額を請求するとは、狂気の沙汰です。
高浜原発運転差し止めの仮処分を決定した福井地裁でも、関電は担保金納入を要求しています。同地裁は「事案の性質上、住民に担保を求めることは相当でない」として要求を退けています。当たり前であり、当然のことです。原発再稼働が差し止められれば、住民や地域の安全性は高まりますが、運転差し止めの主張そのものが金銭的利益に結び付くわけではありません。運転差し止めで損失がでるのであれば、止められても仕方のない原発を建設した電力会社の経営判断の誤りがあったからです。それを住民に転嫁するとはとんでもないことです。
再稼働差し止めは、ゾウのような電力会社と、アリのような立場の住民との闘いです。力関係に圧倒的な落差があるなかで、電力会社は巨額な賠償請求や担保金要求までして住民を恫喝し、何がなんでも原発再稼働を強行しようとしています。アリも大集団で結集して団結すれば、巨大なゾウにも打ち勝つことができます。再稼働絶対反対!
NAZEN 山陰 福間
by nazensanin
| 2015-04-23 22:07
山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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