原子力損害の補完的補償条約絶対反対!
先月15日、非常に重要な国際条約が発効しました。一般紙の扱いはベタ記事に近く、ほとんどの読者の目にはとまらなかったと思います。しかし、多方面に影響する重大条約です。発効した条約は、「原子力損害補完的補償条約」(CSC)と呼ばれるもので、原発事故の際の補償に関する取り決めです。アルゼンチン、モロッコ、アラブ首長国連合、ルーマニア、アメリカが締約し、日本も国会で批准されたために今回発効しました。補償を迅速化しようという趣旨の条約ですが、人命を無視したとんでもない条約です。
CSCは、原発事故発生時に、事故発生国の責任限度額を約468億円としています。これを越えた場合、加盟各国の原発設備規模や国連分担金割合に応じて算出された基金を拠出し、これを提供するとしています。しかし、責任限度額とされる約468億円で、大規模原発事故補償が賄えるはずがありません。福島原発事故では、東電の損害賠償だけで4兆円をオーバーし、除染や賠償、廃炉などを合計すると11兆円を軽く越えています。加盟各国が拠出した基金が提供されたとしても、現在の加盟国に中国と韓国を加えたとしても、総額210~296億円程度だということです。この程度の金額で補償される損害は、極々限定的です。
またCSCが補償する損害とは、「死亡又は身体の損害」、「財産の毀損」、「防止措置費用」、「回復措置費用」、「経済的損失」の5項目に限定されています。つまり、風評被害や精神的被害などは含まれないということです。そして、除染を行う回復措置費用などは、「権限のある当局」が承認したものに限られています。そして、実際に執行されたか、執行される予定のものだけが賠償の対象となるため、除染対策を国が怠っていれば、賠償されないおそれがあります。
CSCの悪だくみはまだまだあります。CSCでは、損害賠償の責任は、限度額を越えた場合は加盟国にも基金提供を義務づけていますが、原則として原発事業者と当該国のみとしています。もう一方の損害賠償責任機関である原発機器メーカーには、損害賠償責任が免責されています。日本が、インドやトルコなどに原発輸出しようと目論んでいることは、ご承知の通りです。国内メーカーが輸出した原発が事故を起こしても、メーカーの責任は全く問われないことになります。原発輸出を推進するために、メーカーを免責にしていることは容易にわかります。ただ、福島原発事故の損害賠償にも、同様に原発機器メーカーは一切関わっていません。
さらにCSCでは、損害賠償を請求できる期間を10年間としています。被ばく、特に低線量被ばくによる健康被害はかなり時間が経過してから発生することが明らかになっています。こうした晩発性被害については、請求できなくなります。さらにまた、原発事故が発生した場合、裁判は事故発生国に集中するとしています。他国の原発事故の損害賠償制度で救済されない場合でも、日本で訴訟に訴えることはできないということです。
この条約は、原発事故の原発事業者や当該国の責任を軽減し、原発機器メーカーの責任を免責にするための条約です。原発機器メーカーを後押しをする日本なども、多少の基金を負担する以外責任を問われることもありません。原発輸出は、福島原発事故を輸出することであり、断じて許すことはできません。原子力損害の補完的補償条約絶対反対!
NAZEN 山陰 福間
CSCは、原発事故発生時に、事故発生国の責任限度額を約468億円としています。これを越えた場合、加盟各国の原発設備規模や国連分担金割合に応じて算出された基金を拠出し、これを提供するとしています。しかし、責任限度額とされる約468億円で、大規模原発事故補償が賄えるはずがありません。福島原発事故では、東電の損害賠償だけで4兆円をオーバーし、除染や賠償、廃炉などを合計すると11兆円を軽く越えています。加盟各国が拠出した基金が提供されたとしても、現在の加盟国に中国と韓国を加えたとしても、総額210~296億円程度だということです。この程度の金額で補償される損害は、極々限定的です。
またCSCが補償する損害とは、「死亡又は身体の損害」、「財産の毀損」、「防止措置費用」、「回復措置費用」、「経済的損失」の5項目に限定されています。つまり、風評被害や精神的被害などは含まれないということです。そして、除染を行う回復措置費用などは、「権限のある当局」が承認したものに限られています。そして、実際に執行されたか、執行される予定のものだけが賠償の対象となるため、除染対策を国が怠っていれば、賠償されないおそれがあります。
CSCの悪だくみはまだまだあります。CSCでは、損害賠償の責任は、限度額を越えた場合は加盟国にも基金提供を義務づけていますが、原則として原発事業者と当該国のみとしています。もう一方の損害賠償責任機関である原発機器メーカーには、損害賠償責任が免責されています。日本が、インドやトルコなどに原発輸出しようと目論んでいることは、ご承知の通りです。国内メーカーが輸出した原発が事故を起こしても、メーカーの責任は全く問われないことになります。原発輸出を推進するために、メーカーを免責にしていることは容易にわかります。ただ、福島原発事故の損害賠償にも、同様に原発機器メーカーは一切関わっていません。
さらにCSCでは、損害賠償を請求できる期間を10年間としています。被ばく、特に低線量被ばくによる健康被害はかなり時間が経過してから発生することが明らかになっています。こうした晩発性被害については、請求できなくなります。さらにまた、原発事故が発生した場合、裁判は事故発生国に集中するとしています。他国の原発事故の損害賠償制度で救済されない場合でも、日本で訴訟に訴えることはできないということです。
この条約は、原発事故の原発事業者や当該国の責任を軽減し、原発機器メーカーの責任を免責にするための条約です。原発機器メーカーを後押しをする日本なども、多少の基金を負担する以外責任を問われることもありません。原発輸出は、福島原発事故を輸出することであり、断じて許すことはできません。原子力損害の補完的補償条約絶対反対!
NAZEN 山陰 福間
by nazensanin
| 2015-05-14 21:56
山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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