特定重大事故等対処施設設置義務先送りを弾劾する!
原子力規制委員会は、新規制規準でさまざまな事故対策施設や機器などの設置を義務付けています。そのなかに、特定重大事故等対処施設(特重施設)があります。規制委員会は、意図的に航空機を原発に衝突させるテロなどで起きる過酷事故に備えるためのバックアップ施設と位置付けています。特重施設とは、航空機衝突などによる原発の中央制御室が破壊されても、原子炉の冷却機能を稼動させるための緊急時制御室や予備電源、注水設備などを備えた施設です。加圧水型原発については、原子炉格納容器の破損を防ぐために圧力を下げるフィルター付きベントも含まれます。
これまでに再稼働に向けた新規制規準適合審査を申請したのは、全国で16原発26基です。このうち特重施設の設置申請を提出しているのは、東京電力柏崎刈羽原発など3原発6基だけです。再稼働している九州電力川内原発も、再稼働に知事が同意した四国電力伊方原発も、特重施設の申請をしていません。申請していないだけでなく、設置や整備のめどすら明らかにしていません。島根原発は、特重施設の設置を公表してはいます。3号機南西の林地を造成して、3.5ヘクタールの敷地(海抜50m)に建屋を建設する計画だとのことです。緊急時制御室、注水設備、電源設備、通信連絡設備などを設置すると明らかにしています。
こうした特重施設の設置申請をしているのは前述のように3原発ですが、整備を完了している原発は皆無です。新規制規準では特重施設設置が義務付けられていますが、新規制規準施行から5年後の2018年7月まで猶予期間が設定されているからです。無くてはならない必須の施設だからこそ義務付けられているわけですが、それを猶予するとはあり得ないことです。さらに驚くのは、規制委員会が猶予期間のさらなる延長を決定したことです。原発本体の審査が予定より遅れ、
18年7月までに設置できる原発は少数だとして、「原発本体工事の計画認可を受けて5年以内」と猶予期間の延長を決めました。
猶予期間の延長について規制委員会の田中委員長は「いたずらに運転を止めて止めて規制規準を適用することは合理的でない」と記者会見で述べています。規制委員会は原発を「規制」するための機関ではなく、あくまで推進するための機関ですから驚くことはありませんが、それにしても呆れるばかりです。特重施設が無くても原発稼動を認可するのなら、なぜ何のために新規制規準に盛り込んだのでしょうか。義務付けられた施設が未設置ならば、運転が認められないのは当然のことです。自動車を取得してから5年以内に自賠責保険加入すれば、保険に入っていなくても運転してもOKと言っているようなものです。いや、ことは原発を運転するですから、もっと深刻なことです。
規制委員会は「あくまでもバックアップ。なければ安全が確保できないということにはならない」と述べていますが、「安全」に対する考え方が根本的に間違っています。航空機は、コクピットにいるパイロットの操縦を主翼や尾翼などに伝達するために、必ずバックアップの伝達手段確保が義務付けられています。それでも、バックアップの操縦伝達手段も失われて不幸にして事故が起こることがあります。万一事故が起これば深刻な事態になる航空機は、安全性を保つバックアップなしに運航しているものなどあり得ないことです。人命だけでなく、自然も地域社会も全てを壊滅させる原発であればなおのことです。
特重施設は「テロ対策」という位置付けのため、多くの秘密事項が付きまとっています。島根原発の特重施設も、公表されているのは設置される予定の設備だけで、どこに何があるかなどの詳細は不明です。前述のように、過酷事故のための排気設備であるフィルター付きベントも特重施設の一つです。そのため、フィルター付きベントの設置場所は明らかにしているが規模などを公表していなかったり、場所や規模などの詳細を一切明確にしていない原発もあります。事故の際ベントが使われると、放射性物質がさらに大量に飛散し、広範囲に拡散します。「テロ対策」を口実にした情報隠しであり、住民の安全をさらに無視することです。
新規制規準に適合しているとしても「安全だというわけではない」と規制委員会の田中委員長自身が述べています。その一方で「バックアップがなくても安全は確保できる」などと全く矛盾した支離滅裂な言動です。そもそも特重施設があるからといって原発が「安全」になるわけではありません。事故が起こる際に、バックアップ施設だけは確保されて生きているなどという想定は、ただ単に都合がいい希望的観測に過ぎません。安全を確保するためには、先ずは原発を止めることです。
NAZEN 山陰 福間
これまでに再稼働に向けた新規制規準適合審査を申請したのは、全国で16原発26基です。このうち特重施設の設置申請を提出しているのは、東京電力柏崎刈羽原発など3原発6基だけです。再稼働している九州電力川内原発も、再稼働に知事が同意した四国電力伊方原発も、特重施設の申請をしていません。申請していないだけでなく、設置や整備のめどすら明らかにしていません。島根原発は、特重施設の設置を公表してはいます。3号機南西の林地を造成して、3.5ヘクタールの敷地(海抜50m)に建屋を建設する計画だとのことです。緊急時制御室、注水設備、電源設備、通信連絡設備などを設置すると明らかにしています。
こうした特重施設の設置申請をしているのは前述のように3原発ですが、整備を完了している原発は皆無です。新規制規準では特重施設設置が義務付けられていますが、新規制規準施行から5年後の2018年7月まで猶予期間が設定されているからです。無くてはならない必須の施設だからこそ義務付けられているわけですが、それを猶予するとはあり得ないことです。さらに驚くのは、規制委員会が猶予期間のさらなる延長を決定したことです。原発本体の審査が予定より遅れ、
18年7月までに設置できる原発は少数だとして、「原発本体工事の計画認可を受けて5年以内」と猶予期間の延長を決めました。
猶予期間の延長について規制委員会の田中委員長は「いたずらに運転を止めて止めて規制規準を適用することは合理的でない」と記者会見で述べています。規制委員会は原発を「規制」するための機関ではなく、あくまで推進するための機関ですから驚くことはありませんが、それにしても呆れるばかりです。特重施設が無くても原発稼動を認可するのなら、なぜ何のために新規制規準に盛り込んだのでしょうか。義務付けられた施設が未設置ならば、運転が認められないのは当然のことです。自動車を取得してから5年以内に自賠責保険加入すれば、保険に入っていなくても運転してもOKと言っているようなものです。いや、ことは原発を運転するですから、もっと深刻なことです。
規制委員会は「あくまでもバックアップ。なければ安全が確保できないということにはならない」と述べていますが、「安全」に対する考え方が根本的に間違っています。航空機は、コクピットにいるパイロットの操縦を主翼や尾翼などに伝達するために、必ずバックアップの伝達手段確保が義務付けられています。それでも、バックアップの操縦伝達手段も失われて不幸にして事故が起こることがあります。万一事故が起これば深刻な事態になる航空機は、安全性を保つバックアップなしに運航しているものなどあり得ないことです。人命だけでなく、自然も地域社会も全てを壊滅させる原発であればなおのことです。
特重施設は「テロ対策」という位置付けのため、多くの秘密事項が付きまとっています。島根原発の特重施設も、公表されているのは設置される予定の設備だけで、どこに何があるかなどの詳細は不明です。前述のように、過酷事故のための排気設備であるフィルター付きベントも特重施設の一つです。そのため、フィルター付きベントの設置場所は明らかにしているが規模などを公表していなかったり、場所や規模などの詳細を一切明確にしていない原発もあります。事故の際ベントが使われると、放射性物質がさらに大量に飛散し、広範囲に拡散します。「テロ対策」を口実にした情報隠しであり、住民の安全をさらに無視することです。
新規制規準に適合しているとしても「安全だというわけではない」と規制委員会の田中委員長自身が述べています。その一方で「バックアップがなくても安全は確保できる」などと全く矛盾した支離滅裂な言動です。そもそも特重施設があるからといって原発が「安全」になるわけではありません。事故が起こる際に、バックアップ施設だけは確保されて生きているなどという想定は、ただ単に都合がいい希望的観測に過ぎません。安全を確保するためには、先ずは原発を止めることです。
NAZEN 山陰 福間
by nazensanin
| 2015-11-26 22:28
山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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