フクシマを切り捨てるな!
福島原発事故が発生してから5年経過しましたが、現地では安倍政権による福島「切り捨て」が着々と進行しています。被害者である福島の地元住民をないがしろにして、「復興」を演出した取り組みが各地で行われています。事故以来ほぼ5年経過した今年1月、県当局は県内外の避難住民が10万人を切ったと公表しました。これは県内外の自治体がまとめた人数を合算したデータを元にしたものです。「原発事故関連避難者」としての人数集計をしていない自治体も多くあって、とても10万人を切っていることの証左になるようなデータではありません。これほど多数の住民の権利を無視することを断じて許してはなりません。
安倍政権が昨年6月に閣議決定した福島復興指針では、居住制限区域と避難指示解除準備区域の避難指示を17年3月末までに解除するとしています。そして、両区域の住民への月10万円の精神的損害賠償、すなわち慰謝料の支払いを18年3月末で一律終了することも決めています。原発事故後に、帰還困難区域なども含めた避難区域が設定されたのは12の市町村です。これまでに、田村市都路地区、川内村東部、楢葉町全域で避難指示が解除されています。政府は、南相馬市小高地区も今年4月中には解除する方針を示しています。さらに、川俣町、葛尾村、川内村でも避難指示解除に向けた準備が進められています。
川俣町から避難している男性は「除染もまだ終わっていないし、復興の準備も整っていない。そもそも原発事故は収まったといえるのか。国は避難者を切り捨てることで、早い収束を装いたいのだろう。」と話しています。南相馬市から避難している女性は「戻ったとしても、水は飲めない、外に洗濯物も干せないという状況なのに、帰れというのは人を人として思っていないのではないか」と怒っています。南相馬市から避難している男性は「国は解除を急ぎたいのだろうが、まだ原発事故も除染も終わったとは言えない状況で、帰るつもりはない。」と断定しています。避難者の多くが故郷への郷愁の気持ちを強く持ちながらも、避難指示解除を帰還の強要だと感じています。
安倍政権は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを「復興五輪」と位置付けて、「復興」を世界に向けて強く印象付けようとしています。東日本大震災からの真の復興のためには、建設機材や人材を東北に集中させるべきです。しかし実際は、オリンピック会場となる東京に資金も建設機材も人材も集中的に投入され、オリンピック会場だけでなく、渋谷、新宿、大手町や丸の内など東京の各地で大規模再開発が進行中です。安倍首相が「福島原発事故は完全にコントロールされている」とプレゼンし世界を欺き誘致した東京オリンピックですが、しかし現状は東北地方の「復興」を盾にして、福島など東北地方を切り捨てているだけです。
政府が近く改定する予定の今後5年間の復興方針案では、海外に向けて風評被害の払拭に努めるとしています。しかし、避難者からは「風評じゃなくて実害だろうが」という憤りを露にする避難者もいます。余りに当然のことですが、飯舘村から避難しているこの男性によると、自宅裏で採れたキノコの汚染を測定すると、キロ当たり5000ベクレルを越えたとのことです。「福島の食べ物が安全だというのなら、福島の子どもじゃなくて、東京の大人が食えばいい。安全をアピールするために福島の子どもたちが利用されているようなものだ。」とも言っています。国や福島県だけでなく、マスコミなども「線量が高いなどと風評被害を煽るな」という風潮が一部にありますが、上記避難者などの話が真実です。
丸川環境相は2月上旬、年1ミリシーベルト以下という除染の長期目標に対して「わーわー騒いだ中で、何の科学的根拠もなく、時の環境相が決めた」と公の場で発言しています。帰還困難区域など未だに線量が高い地域が混在する飯舘村で、1月再建をテーマにしたシンポジウムが開かれました。飯舘村も来年3月までに一部を除き避難指示解除の方向で動いています。さまざまな意見が交錯するなかで、参加者の気持ちを代弁し丸川環境相を弾劾する以下のような発言がありました。「国はいろんな数字を挙げて避難指示を解除しようとしているが、震災前の数値には全く戻っていない。法定の一般被ばく限度が年1ミリシーベルトなのに、福島県民だけ年20ミリシーベルトでも住めと言う。福島県民は一般人じゃないのか。」
丸川環境相は、線量1ミリシーベルトに「科学的根拠がない」と言いますが、福島県民が強要されている20ミリシーベルトに科学的根拠があるとでも言うのでしょうか。比較的低線量の放射能について科学的に不明な部分があるのは事実ですが、自然界に存在しない核種を含む20ミリシーベルトの空間線量よりも、自然放射線量だけの1ミリシーベルト以下の方が良いに決まっています。「20ミリシーベルトまで線量が下がったから帰還せよ」と住民に強要するのは、地域が崩壊して有権者や納税者がいなくなるのを恐れた政治家の判断であり、県民の健康を第1に考慮した結果ではありません。
安倍首相は、2020年の東京オリンピックまでに常磐線の全線復旧を目指すと表明しました。国交省とJR東日本も、2019年度末までに常磐線全線運転再開する発表しています。福島県の太平洋側を通り上野駅と仙台駅を結ぶ常磐線は現在、福島県から宮城県にかけて一部が運休しています。そのなかでも、帰還困難区域を含む富岡駅(福島県富岡町)と浪江駅(同浪江町)間の約21kmについては、運転再開の見通しは立っていませんでした。路線が軌道流出や橋梁損傷などの被害にあっているためですが、何よりも福島第1原発の間近であって線量が高いためです。線量が高いなかで無理矢理運転再開するのは、住民帰還のために、「公共交通機関の利用環境を整えた。」という状況作りに過ぎません。
住民や鉄道労働者に被ばくを強いる運転再開には絶対反対です。長年住んでいた場所に郷愁を抱くのは当然のことですが、それを逆手にとって帰還を強いることを許すことは断じてできません。福島を切り捨てることを許すことはできません。
NAZEN 山陰 福間
安倍政権が昨年6月に閣議決定した福島復興指針では、居住制限区域と避難指示解除準備区域の避難指示を17年3月末までに解除するとしています。そして、両区域の住民への月10万円の精神的損害賠償、すなわち慰謝料の支払いを18年3月末で一律終了することも決めています。原発事故後に、帰還困難区域なども含めた避難区域が設定されたのは12の市町村です。これまでに、田村市都路地区、川内村東部、楢葉町全域で避難指示が解除されています。政府は、南相馬市小高地区も今年4月中には解除する方針を示しています。さらに、川俣町、葛尾村、川内村でも避難指示解除に向けた準備が進められています。
川俣町から避難している男性は「除染もまだ終わっていないし、復興の準備も整っていない。そもそも原発事故は収まったといえるのか。国は避難者を切り捨てることで、早い収束を装いたいのだろう。」と話しています。南相馬市から避難している女性は「戻ったとしても、水は飲めない、外に洗濯物も干せないという状況なのに、帰れというのは人を人として思っていないのではないか」と怒っています。南相馬市から避難している男性は「国は解除を急ぎたいのだろうが、まだ原発事故も除染も終わったとは言えない状況で、帰るつもりはない。」と断定しています。避難者の多くが故郷への郷愁の気持ちを強く持ちながらも、避難指示解除を帰還の強要だと感じています。
安倍政権は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを「復興五輪」と位置付けて、「復興」を世界に向けて強く印象付けようとしています。東日本大震災からの真の復興のためには、建設機材や人材を東北に集中させるべきです。しかし実際は、オリンピック会場となる東京に資金も建設機材も人材も集中的に投入され、オリンピック会場だけでなく、渋谷、新宿、大手町や丸の内など東京の各地で大規模再開発が進行中です。安倍首相が「福島原発事故は完全にコントロールされている」とプレゼンし世界を欺き誘致した東京オリンピックですが、しかし現状は東北地方の「復興」を盾にして、福島など東北地方を切り捨てているだけです。
政府が近く改定する予定の今後5年間の復興方針案では、海外に向けて風評被害の払拭に努めるとしています。しかし、避難者からは「風評じゃなくて実害だろうが」という憤りを露にする避難者もいます。余りに当然のことですが、飯舘村から避難しているこの男性によると、自宅裏で採れたキノコの汚染を測定すると、キロ当たり5000ベクレルを越えたとのことです。「福島の食べ物が安全だというのなら、福島の子どもじゃなくて、東京の大人が食えばいい。安全をアピールするために福島の子どもたちが利用されているようなものだ。」とも言っています。国や福島県だけでなく、マスコミなども「線量が高いなどと風評被害を煽るな」という風潮が一部にありますが、上記避難者などの話が真実です。
丸川環境相は2月上旬、年1ミリシーベルト以下という除染の長期目標に対して「わーわー騒いだ中で、何の科学的根拠もなく、時の環境相が決めた」と公の場で発言しています。帰還困難区域など未だに線量が高い地域が混在する飯舘村で、1月再建をテーマにしたシンポジウムが開かれました。飯舘村も来年3月までに一部を除き避難指示解除の方向で動いています。さまざまな意見が交錯するなかで、参加者の気持ちを代弁し丸川環境相を弾劾する以下のような発言がありました。「国はいろんな数字を挙げて避難指示を解除しようとしているが、震災前の数値には全く戻っていない。法定の一般被ばく限度が年1ミリシーベルトなのに、福島県民だけ年20ミリシーベルトでも住めと言う。福島県民は一般人じゃないのか。」
丸川環境相は、線量1ミリシーベルトに「科学的根拠がない」と言いますが、福島県民が強要されている20ミリシーベルトに科学的根拠があるとでも言うのでしょうか。比較的低線量の放射能について科学的に不明な部分があるのは事実ですが、自然界に存在しない核種を含む20ミリシーベルトの空間線量よりも、自然放射線量だけの1ミリシーベルト以下の方が良いに決まっています。「20ミリシーベルトまで線量が下がったから帰還せよ」と住民に強要するのは、地域が崩壊して有権者や納税者がいなくなるのを恐れた政治家の判断であり、県民の健康を第1に考慮した結果ではありません。
安倍首相は、2020年の東京オリンピックまでに常磐線の全線復旧を目指すと表明しました。国交省とJR東日本も、2019年度末までに常磐線全線運転再開する発表しています。福島県の太平洋側を通り上野駅と仙台駅を結ぶ常磐線は現在、福島県から宮城県にかけて一部が運休しています。そのなかでも、帰還困難区域を含む富岡駅(福島県富岡町)と浪江駅(同浪江町)間の約21kmについては、運転再開の見通しは立っていませんでした。路線が軌道流出や橋梁損傷などの被害にあっているためですが、何よりも福島第1原発の間近であって線量が高いためです。線量が高いなかで無理矢理運転再開するのは、住民帰還のために、「公共交通機関の利用環境を整えた。」という状況作りに過ぎません。
住民や鉄道労働者に被ばくを強いる運転再開には絶対反対です。長年住んでいた場所に郷愁を抱くのは当然のことですが、それを逆手にとって帰還を強いることを許すことは断じてできません。福島を切り捨てることを許すことはできません。
NAZEN 山陰 福間
by nazensanin
| 2016-03-31 21:29
山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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