福島県民健康調査の犯罪的行為を許すな!
福島原発事故から6年以上経過して、事故が県民の健康をむしばんでいる事実が明らかになってきています。チェルノブイリ原発事故の後、周辺地域で小児甲状腺がんが多発しました。福島原発事故後福島県は、甲状腺検査などを福島県立医大に委託して実施しています。事故当時18歳以下の住民と、県外避難者も含めた事故後2012年4月1日までに生まれた計約38万人が甲状腺検査の対象となっています。11年度に1巡目が始まり、現在は3巡目の検査が行われています。今年6月の公表では、191人ががんあるいはその疑いと診断されています。しかし、福島県や県立医大などは未だに甲状腺がんの多発と原発事故との因果関係を認めず、県民健康調査も信頼性は地に落ちています。
ここにきて、県民健康調査の信頼性の低下を促進させ、あるいはがんの発症例を意図的に少なめにする犯罪的事実が明らかになっています。県民健康調査は1次検査で超音波検査などを行い、一定の大きさ以上のしこりがある場合2次検査が行われます。2次検査では超音波、血液、尿などの検査が行われます。その結果、悪性の可能性が高いグループと低いグループとに分けられます。悪性の可能性が高いとされたグループは細胞を採取して検査し、可能性が高いと確認されると「がんあるいはがんの疑い」としてカウントされます。悪性の可能性が低いと診断され人と、細胞を採取して検査されたが「がんあるいはがんの疑い」とならなかった人は「経過観察」とされ、これまでに延べ約
2700人を超えます。
問題は「経過観察」の取り扱いです。事故当時4歳の男児が14年の2巡目の2次検査で経過観察となりましたが、15年に甲状腺がんと診断され県立医大で手術を受けています。しかしこの男児は、県民健康調査の結果から漏れていることが明らかになりました。つまり、県民健康調査は2次検査で「経過観察」となった場合、同調査の対象から外れる構造になっているのです。甲状腺がんの人を支援している「3・11甲状腺がん子ども基金」の理事によると「基金から診療費給付を受けた人のうち5人も県の調査を受けなかったり、検査を受けた後に別の医療機関で診てもらった人たちで、県民健康調査の結果には含まれていない」とのことです。また「県民健康調査はがんを発症しても、カウントされない子どもが出るようなシステムだ」と言っています。
チェルノブイリ原発事故では、事故当時5歳以下の子どもに甲状腺がんが多発しました。県民健康調査では昨年9月に、事故当時5歳の患者が公表されるまで同様のケースはないとされてきました。そのため国も福島県なども、このことを原発事故とがん発症の因果関係はないとの根拠としていました。県などはがん多発と事故との因果関係を今も認めていませんが、5歳の患者が公表されて以来、がん多発は「スクリーニング効果」だと強調し始めました。数年先に発症するはずの事例が、綿密な検査をしているため前もって見つかっていると主張しています。しかし、県などが1巡目で見落としたとする発症が2巡目でも3巡目でも見つかっていて、スクリーニング効果とする根拠は否定されています。
甲状腺がんの多発を反映しない構造となっている県民健康調査ですが、拡充するどころか縮小しさらに骨抜きにしようとする方向に向かっています。県の小児科医会は昨年8月、「検査を受けない選択を尊重するため」と称して「希望者のみ」を主軸にした調査の縮小を県に提案しました。これを受けた県民健康調査検討委員会でも、調査の縮小や事実上の廃止まで是認する意見も出ました。今のところ県議会や県民の強い反発があるにもかかわらず、調査縮小、がん発症者切り捨てが進行しています。県民に配布される検査の案内書には、検査に同意するか否かを選択するようになっています。そして「同意しない」を選択すると、その後案内書が送付されることはなく、検査対象から完全に排除されます。
県民健康調査の縮小や廃止の動きは、世界保健機関(WHO)の専門組織「国際がん研究機関(IARC)」や日本財団が主催した甲状腺がんをテーマにした国際会議が強く影響しています。専門組織IARCは、甲状腺をどう観察するかについて議論すると明らかにしました。その伏線となったのが国際会議で、検査に伴うストレスが強調され、「利益がある集団に対してのみ検査を行うべきだ」とする提言をまとめています。提言書には、県立医大山下俊一副学長、国際放射線防護委員会
(ICRP)の委員、IARCの関係者が名を連ねています。こうした策動に影響を受けているのが県であり、それ以上に積極的な姿勢を示すのが国です。環境省幹部は
「IARCに賛同する」として「独立した枠組みが有用」などと述べ、検査への国の関与を強めようとしています。
原発事故は甲状腺がんの発症だけでなく、骨髄や心筋梗塞など血管系の病気、リンパ球が関係する免疫系の疾患も懸念されます。そのため、甲状腺がんを含めた総合的な健康調査を行うシステム構築が必須です。また検査対象を福島県だけでなく、周辺地域にも拡大すべきです。さらに比較対象とするために、福島原発事故の影響が比較的少ない地域でも実施すべきです。安倍政権は、福島原発事故を過去のこととして事故がなかったことにし、原発再稼働を加速させています。そのために、障害となる事故被害者を隠蔽しようとしています。県民健康調査縮小や廃止の動きには絶対反対です。
NAZEN 山陰 福間
ここにきて、県民健康調査の信頼性の低下を促進させ、あるいはがんの発症例を意図的に少なめにする犯罪的事実が明らかになっています。県民健康調査は1次検査で超音波検査などを行い、一定の大きさ以上のしこりがある場合2次検査が行われます。2次検査では超音波、血液、尿などの検査が行われます。その結果、悪性の可能性が高いグループと低いグループとに分けられます。悪性の可能性が高いとされたグループは細胞を採取して検査し、可能性が高いと確認されると「がんあるいはがんの疑い」としてカウントされます。悪性の可能性が低いと診断され人と、細胞を採取して検査されたが「がんあるいはがんの疑い」とならなかった人は「経過観察」とされ、これまでに延べ約
2700人を超えます。
問題は「経過観察」の取り扱いです。事故当時4歳の男児が14年の2巡目の2次検査で経過観察となりましたが、15年に甲状腺がんと診断され県立医大で手術を受けています。しかしこの男児は、県民健康調査の結果から漏れていることが明らかになりました。つまり、県民健康調査は2次検査で「経過観察」となった場合、同調査の対象から外れる構造になっているのです。甲状腺がんの人を支援している「3・11甲状腺がん子ども基金」の理事によると「基金から診療費給付を受けた人のうち5人も県の調査を受けなかったり、検査を受けた後に別の医療機関で診てもらった人たちで、県民健康調査の結果には含まれていない」とのことです。また「県民健康調査はがんを発症しても、カウントされない子どもが出るようなシステムだ」と言っています。
チェルノブイリ原発事故では、事故当時5歳以下の子どもに甲状腺がんが多発しました。県民健康調査では昨年9月に、事故当時5歳の患者が公表されるまで同様のケースはないとされてきました。そのため国も福島県なども、このことを原発事故とがん発症の因果関係はないとの根拠としていました。県などはがん多発と事故との因果関係を今も認めていませんが、5歳の患者が公表されて以来、がん多発は「スクリーニング効果」だと強調し始めました。数年先に発症するはずの事例が、綿密な検査をしているため前もって見つかっていると主張しています。しかし、県などが1巡目で見落としたとする発症が2巡目でも3巡目でも見つかっていて、スクリーニング効果とする根拠は否定されています。
甲状腺がんの多発を反映しない構造となっている県民健康調査ですが、拡充するどころか縮小しさらに骨抜きにしようとする方向に向かっています。県の小児科医会は昨年8月、「検査を受けない選択を尊重するため」と称して「希望者のみ」を主軸にした調査の縮小を県に提案しました。これを受けた県民健康調査検討委員会でも、調査の縮小や事実上の廃止まで是認する意見も出ました。今のところ県議会や県民の強い反発があるにもかかわらず、調査縮小、がん発症者切り捨てが進行しています。県民に配布される検査の案内書には、検査に同意するか否かを選択するようになっています。そして「同意しない」を選択すると、その後案内書が送付されることはなく、検査対象から完全に排除されます。
県民健康調査の縮小や廃止の動きは、世界保健機関(WHO)の専門組織「国際がん研究機関(IARC)」や日本財団が主催した甲状腺がんをテーマにした国際会議が強く影響しています。専門組織IARCは、甲状腺をどう観察するかについて議論すると明らかにしました。その伏線となったのが国際会議で、検査に伴うストレスが強調され、「利益がある集団に対してのみ検査を行うべきだ」とする提言をまとめています。提言書には、県立医大山下俊一副学長、国際放射線防護委員会
(ICRP)の委員、IARCの関係者が名を連ねています。こうした策動に影響を受けているのが県であり、それ以上に積極的な姿勢を示すのが国です。環境省幹部は
「IARCに賛同する」として「独立した枠組みが有用」などと述べ、検査への国の関与を強めようとしています。
原発事故は甲状腺がんの発症だけでなく、骨髄や心筋梗塞など血管系の病気、リンパ球が関係する免疫系の疾患も懸念されます。そのため、甲状腺がんを含めた総合的な健康調査を行うシステム構築が必須です。また検査対象を福島県だけでなく、周辺地域にも拡大すべきです。さらに比較対象とするために、福島原発事故の影響が比較的少ない地域でも実施すべきです。安倍政権は、福島原発事故を過去のこととして事故がなかったことにし、原発再稼働を加速させています。そのために、障害となる事故被害者を隠蔽しようとしています。県民健康調査縮小や廃止の動きには絶対反対です。
NAZEN 山陰 福間
by nazensanin
| 2017-07-11 21:24
山陰で原発再稼働阻止・全原発の即時廃止をめざす! 米子市道笑町3-24-202 tel・fax 0859-22-9908 福間育朗 090-4576-1161 gr5536qu6e359dre23nd@docomo.ne.jp
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